デジタルシュリーレン(BOS法)

シュリーレンとは

デジタルシュリーレン

シュリーレンとは、光学的な可視化手法の一つで、19世紀に開発された手法です。大気中に透明な気体を噴出させても、気体そのものは直接人間の目で見ることはできません。しかし、噴出した気体と空気の密度が異なる場合には、その部分を通過する光が屈折し、明るさに明暗の差が生じます。
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デジタルシュリーレン(BOS法)とは

デジタルシュリーレン

デジタルシュリーレンとは、空間中に生じる密度勾配を光学的に可視化する手法の1種で、いわゆるBOS法(Background Oriented Schlieren)の1つです。
従来のシュリーレン法に比べて光学要素も非常に少なく、簡単にシュリーレン画像を取得する事が出来ます。通常の異物検査システムとは違い、可視化出来ない物体、現象などを可視化し、画像化する事が可能です。

システムの特徴

システムの特徴①
システムの特徴
  • 自社開発の統合型ソフトウェア
    デジタルシュリーレン解析ソフトウェア【Koncerto-DSS】より計測から解析までを同一ソフト上で完了
    ※本ソフトウェアに対応した専用カメラの場合に限る
  • 多彩な解析アルゴリズムを搭載、高精度BOS解析の実現(東京農工大学 田川教授との共同開発)
    アルゴリズムは当社の独自開発で、リファレンス画像からの差分法、また時系列変化における密度差を捉えるシーケンス法を選択頂けます。また、オプションとして、東京農工大学田川教授と共同開発した高精度BOS解析アルゴリズムにより、微小な密度差を高精度に観察、可視化を実現いたします。
  • 観察対象、ニーズに合わせた最適解をご提案
    大型スケールでのBOS計測から、mmスケールオーダーの可視化まで、幅広くご提案致します。
    当社の開発製品のため、ご希望・ご予算に合わせて柔軟にシステム構築をご提案いたします。また、可視化方  法のサポート、システムの共同開発などにも別途ご相談にて承ります。
  • 柔軟なシステム設計
    当社のデジタルシュリーレン(BOS法)は、非常に柔軟にシステム設計が可能です。
    たとえば、既に可視化用でカメラをお持ちの場合、ソフトウェアと背景を追加頂くだけでBOSシステムを構築可能です。コンポーネントは高解像カメラ高速度カメラ各種光源背景(ディスプレイ・パネル)と、ご希望に応じてシステム設計が可能です。

特徴

  • カメラ、背景、解析ソフトウェアのみ、レーザー等を使用しないシンプルな装置構成
  • リアルタイム解析、画像表示が可能。現象をその場で確認できます
  • 設置はわずか数分で完了、オプションの背景パターン自動生成ソフトウェアを使用することで、計測までの 準備も非常に簡単に
  • 光軸ズレが起きても、ボタン一つですぐに再キャリブレーションが可能
  • 既存のカメラでもシステム構築可能
  • 高速度カメラにも対応し、高時間分解計測が可能
  • 広範囲、大エリアの計測が可能
  • 東京農工大学 田川教授との共同研究による高精度BOSアルゴリズムを選択可(オプション)

計測の流れ



  • ① 被写体に対してカメラを設置し、その反対側に専用の背景を設置します。
  • ② 現象が起きる前の素の状態(密度勾配が無い状態)にてベース画像を取得します。
  • ③ 現象が発生したら任意の周波数にて画像を必要枚数取得します。
  • ④ データを撮り終えたら、ベース画像との差分を解析ソフトウエアにて解析し、シュリーレン画像を算出します。

システム構成

システム構成
  • 各種カメラ(高解像度カメラ、高解像度高速度カメラ)
  • 専用背景
  • 専用解析ソフトウエア
  • 専用背景作成ソフトウエア
  • コントロールPC

メリット・デメリット


デジタルシュリーレンシステム

  • システムの設置・構築場所はフレキシブルに対応可能
  • カメラ・専用の背景ユニット(光源込み)とシンプルなシステム構成
  • 広範囲エリアでの測定が可能(メートル級も対応可能)
  • シュリーレン画像を取得するには画像取得後、解析が必要

光学式シュリーレンシステム

  • 狭いエリアの観測では高精度(一般的に数cm~大きくても10・20cm程度)
  • 光軸調整が煩雑・設置に時間がかかる・調整は技術を要する
  • システムを設置する環境に制限がある(研究室・ラボなど屋内環境のみ)
  • 撮影できた画像はシュリーレン画像

アプリケーション


具体例

  • 液体混入、攪拌工程
  • 冷却、加熱現象
  • ガスリークテスト
  • 熱対流の検証
  • 人間の呼気などの可視化
  • その他 各種異物検査・試験用途

計測動画


ホットプレートから温められた空気が 上昇する様子を可視化しています。
可視化サイズ(720x420㎜)

左のデータを流れ解析したベクトル図です。



炭酸飲料の開封時に漏れだす炭酸ガス を可視化しています。

人間の吐息が観察できます。 可視化サイズ(800x800㎜)

システム構成一覧 - デジタルシュリーレン(BOS法)システム 各コンポーネント 構成例

デジタルシュリーレン(BOS法)システムのキーコンポーネントはやはりカメラになります。
観察する現象の動き、速度に合わせて高速度カメラ、高解像型と用途に応じて構成いたします。
また、当社はカメラ及びレンズの焦点距離、ご希望の観察範囲、視野に合わせて、最適な背景パターンをご提供いたします。

高速度カメラ 参考モデル

低価格、高感度の汎用タイプです。小型でハンドリングも容易で、様々なアプリケーションに適用可能です。

高解像度カメラ 参考モデル

各種PIV専用高解像度カメラをサポートしています。

計測用 背景(Back ground)、パターン

各種ディスプレイによる背景パターンの表示が可能です。※別途、オプションの背景自動生成ソフトウェアが必要となります。

高速流れの可視化、高速度カメラをご使用の場合、パターンを印字・印刷したパネルをご提案致します。
ご希望の画角、視野に合わせて最適なパターンを作成申し上げます

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