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排ガス・すす濃度 レーザー誘起加熱法:LII
レーザー誘起加熱法 LIIとは
レーザー誘起加熱法 LII とは、すすに対してレーザーを照射した際に、すすに含まれる炭素原子が光を吸収し熱に変換され、すす粒子の温度が上昇する際の、黒体放射を緻密に分光撮影し、その強度の現数時間を計算することで、エンジンの排気中及び周辺空気中のすす濃度と、ナノオーダーの粒子サイズを空間的及び時間的に測定する手法です。すすの質量、体積濃度、表面積、粒子数、一次粒子径平均値などのデータを取得可能です。
特徴
Artium社のLIIシステムは、測定のダイナミックレンジが非常に広く(>1,000,000:1)、サンプリングシステムや希釈システム、フィルターなどの消耗品を必要としない非常に感度の高い測定技術です。リアルタイム測定(10 Hzオーダー)も可能、動的な測定に適しています。
- 高速で高感度、時系列計測を実現(20Hz)
- メンテナンス不要の操作を実現した、拡張可能で堅牢かつポータブルなシステム
- 排ガスを希釈不要でそのまま計測可能
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凝縮に依存しないすすの測定を実現
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球状以外のすすの集合体でも測定可能
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レーザー、光学系、およびサンプリングセルは完全に密閉状態で堅牢なシステム化
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パージエアまたは電源がオフの場合にサンプルがセルに入るのを防ぐフェイルセーフバルブを装備
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サンプルを精密に調整不要で測定可能
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車載計測にも対応
レーザー誘起加熱法と光音響分光法の比較
レーザー誘起加熱法 |
光音響分光法 |
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立ち上げ時間 | 1分 | 安定まで30分程度 |
定期メンテナンス |
特に不要、偶に技術不要のウインドウクリーニングが必要(3分以内) |
分解、慎重な取り扱いが隔週に必要
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キャリブレーション | 出荷時にNISTトレーサブルに調整済み、顧客側では不要 |
すすと独立したフィルターを使用したキャリブレーションが必要
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排ガス温度 |
高温の排気で測定可能、ガス、サンプルセルの温度を測定
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ガス温度を60℃より下げる必要あり
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ガスの圧力の影響 |
排圧の影響を受けない、サンプルセルのガス圧を測定
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共振空洞内のガス圧は+/- 50 mbarに制御が必要
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検出上限、下限
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-0.02μg/㎥ 〜 5,000mg/㎥ | -1μg/㎥ 〜 50mg/㎥ |
測定パラメータ | SVF、一次粒子サイズ、比表面積、面積 | SVFのみ |
用途
- ディーゼルエンジンから排出された微粒子群の計測
- GDIから排出される微粒子群の計測
- その他、燃焼場におけるすす計測
- バイオ燃料などの代替燃料
- ガスタービンの排気微粒子
- 大気モニタリング
- カーボンブラックの生産管理
原理
LII 装置レイアウト図・原理
Nd:YAGレーザから発振される波長 1064nmの光は数 mJにチューニングされ、計測ボリュームは、均一な強度と効果的な形状にフォーミングされます。
その計測ボリュームを通過する排ガス中のすすは励起加熱 (Induced Incandescence)されます。
そして、集光レンズにより400nmと780nmに分光されます(Fig.1)。この励起加熱光の減衰強度と時間の比から温度が求まり(Fig.2)、グラフ勾配からPrimary 粒子径平均値が得られます。Primary粒子径平均値から励起加熱光I(P)を導入し、励起光全体I/I(P)から個数nを算出します。Flow rateが既知であれば、体積濃度・Flux等が求まります。