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飛沫・呼気の可視化システム
コロナ禍で生活様式が変化する中、感染防止に様々な工夫が社会全体で行なわれております。
感染源の一つとして考えられている飛沫に関しても、マスクの着用をはじめとし、フェイスシールド・拡散防止パーテーション等様々な対策が打たれております。
このような対策を行う上で、飛沫・呼気・エアロゾル・室内流れ等を可視化・計測する事は非常に重要です。
飛沫の可視化とは
飛沫の可視化とは、咳・くしゃみなどで発生する微粒子(一般的には5μm以上の粒子)の挙動を画像化する事です。微粒子に光を当てると、当てた光が散乱し(ミー散乱)その光をカメラで撮影することにより飛沫の挙動を可視化します。
特徴
- 数マイクロ~数100マイクロmの粒子の可視化が可能
- 2m角の広範囲にて可視化、計測が可能
- 高感度高解像度カメラにて鮮明な画像の取得が可能
- 高感度高速度カメラにてくしゃみ等の高速現象の可視化が可能
- 取得した2枚の画像より流速(ベクトル)の算出が可能
- 取得した画像より飛翔距離・角度・粒子個数・分布等の解析が可能
事例
くしゃみ(飛沫)の可視化
マスク着用時くしゃみの飛沫が隙間から漏れている様子が分かります。
使用機材:LED(背景照明)+高速度カメラ
空気清浄機 流れ可視化
スモークジェネレーターの粒子を空気清浄機に流入させ、吐出する空気の流れが分かります。
使用機材:LED(シート光)+高速度カメラ
呼気の流れ可視化
パーテーション高さ違いによる呼気の流れ(高さ500mm)
呼気吹出し高さ(480mm)とパーテーションの高さが同等のため、呼気の一部がパーテーションの反対側まで流れています。
使用機材:CWレーザー+高速度カメラ
パーテーション高さ違いによる呼気の流れ(高さ600mm)
呼気吹出し高さ(480mm)よりパーテーションの高さが高く、呼気がパーテーションにて遮断され反対側まで流れていません。
使用機材:CWレーザー+高速度カメラ
塵の可視化(微分処理)
衣服に付着した塵の挙動
衣服をはたいたときに発生する塵の挙動を、体の前面にレーザーシートを設置することにより観察しました。
使用機材:CWレーザー+高感度カメラ
衣服に付着した塵の挙動(微分処理)
左の画像を微分処理する事により、塵などの粒子の挙動がよりはっきりと観察することが可能です。
使用機材:CWレーザー+高感度カメラ ⇒ 微分処理
流れの数値化(ベクトル化)
空気清浄機の流れベクトル化(視野2m)
取得した2画像をPIV解析ソフトウエアにて処理することにより、流れの方向と速度を数値化する事が可能です。
使用機材:CWレーザー+高速度カメラ+スモークマシーン ⇒ PIV解析
くしゃみ(飛沫)の流れベクトル化
取得した2画像をPTV解析ソフトウエアにて処理する事により、飛沫の飛翔
方向と速度を数値化する事が可能です。
使用機材:CWレーザー+高速度カメラ ⇒ PTV解析
高輝度LED と CWレーザーの違い
高輝度LEDでの可視化例(空気清浄機)
高輝度LEDをシート状(厚さ80mm程度)にて照明し画角全体(2m角)の空気の流れを可視化しています。
LEDですのでレーザーに比べて安全に使用する事が可能です。
CWレーザーでの可視化例(空気清浄機)
CWレーザーをシート状(厚さ2mm程度)に照明し画角全体(2m角)の空気の流れを可視化しています。
LEDに比べてより鮮明な画像を得ることが可能で、PIV解析も可能です。
主な仕様
①可視化用カメラ
高感度カメラもしくは高感度高速度カメラを使用します。
高感度タイプを使用することにより2m角程度のエリアの可視化が可能です。
高感度カメラ |
高感度高速度カメラ |
|
---|---|---|
素子解像度 |
2336×1752ピクセル |
1024×1024ピクセル |
シャッター速度 | 2μ秒~ | 1.1μ秒~ |
階調 | モノクロ14bit | モノクロ12bit |
撮影速度 |
5fps |
2000fps |
レンズマウント | Cマウント | Cマウント |
記録方式 | PCダイレクト方式 | ICメモリ方式(カメラ本体) |
②光源
高輝度LED |
CWレーザー |
|
---|---|---|
中心波長 |
528nm |
532nm |
出力 | 4.3W | 5W |
ファイバー | 使用可能(長さ1.8m程度) | 使用可能(長さ5m程度:オプション) |
シート光学系 |
専用ファイバー光学系 |
専用光学系(コリメーター付) |
シート厚み | 最小8mm程度 | 最小1mm程度 |
安全対策 | 不要 | 必要 |
③飛沫・呼気シミュレーター
本装置は以下2現象を模擬する為の機器です。
- 飛沫
くしゃみの飛沫を観察するためにくしゃみを模擬した流れを作成し、飛沫を噴射します。 - 呼気
呼気の広がり、到達点等を観察するために呼気を模擬した流れを作成し、微粒子を噴霧します。
吐出圧、吐出時間、液滴量、液滴粘度等を調整することが可能です。
飛沫 サンプルデータ
- 粒径
最小 : 0.5 µm
最大 : 101.2 µm
個数平均 : 11.6 µm
ザウター平均 : 55.3 µm - 流速
平均 : 10.3 m/s
最大 : 24.2 m/s
吐出圧0.4atm、吐出時間0.4秒 吐出口より100㎜のデータ
(位相ドップラー粒子計「PDIシステム」にて計測)
飛沫シミュレーター サンプル動画
呼気 サンプルデータ
- 粒径
最小 : 0.5 µm
最大 : 11.8 µm
平均 : 1.2 µm - 流速
平均 : 2.15 m/s
最大 : 4.61 m/s
吐出圧0.4atm、吐出時間2秒 吐出口より100㎜のデータ
(位相ドップラー粒子計「PDIシステム」にて計測)
呼気シミュレーター サンプル動画
④微分BOX
取得した画像を微分処理する事により、微粒子の挙動をより強調して可視化する事が可能です。
ビデオ信号を専用BOXに入力する事により、非常に簡単に微分画像が取得できます。
元画像(くしゃみの可視化)
微分処理画像(くしゃみの可視化)
⑤粒子発生装置 SKG-01
熱を利用して液体を霧化する装置です。
発生する粒子は1~4μmで、気流の可視化 に最適なサイズです。
人体に影響のない 安全な専用液体を使用します。