レーザー回折式粒度分布計 : 粒子径分布、低価格

粒度分布計とは

レーザー回折式粒度分布計(FLD)

粒度分布計とは、微粒子中に含まれる粒子のサイズについて、どの大きさの粒子がどの程度含有されているかを測定する装置の総称で、対象のサイズに応じてレーザー回折式や動的錯乱法(光子相関法)、画像法やイオントラップなどの様々な測定手法が存在します。

レーザー回折式粒度分計とは、レーザー光が計測対象となる粒子を通過する際に起こる錯乱光の強度を演算することで粒径、粒度分布を測定する装置です。粒子のサイズによって、散乱する光の強度が角度によって異なる現象を利用しています。粒子の直径が大きいときには、小さい角度の散乱光の強度が強くなり、粒径が小さいときには先ほどとは逆に大きい角度の散乱光の強度が強くなります。この錯乱光の角度による強度分布を計測し、既知の粒径対強度分布(回折錯乱像のパターン)より粒径を導き出します。このときに用いられるのがフラウンフォーファーの回折理論とミーの回折理論です。レーザー回折式粒度分布計は、特定の波長より同じ回折錯乱像を描くようになるために測定できる粒径には下限が存在します。

新着情報

粒径計測法の比較

粒度分布とは

粒度分布とは、あるサンプル内に含まれる粒径の割合を示した数値ですが、一口に粒子径といっても、その定義によって様々な考え方が存在します。定義に倣って各種の測定原理が存在するため、計測したい材料に応じ、適切な計測手段を選定する必要があります。粒径分布に関する規格としてはJIS規格があり、JIS Z 8801としてふるい分けによる手法が定義されています。これはふるいの目と残った試料の質量を計測するというシンプルな方式ですが、微粒子は計測することが極めて困難ですので、下記に挙げるような粒子計の計測手段から、目的に応じた手法を選択します。

粒径計測手法の比較

 

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 計測手法(装置名)  測定径 メリット デメリット
動的散乱法(湿式)光子相関 0.5nm ~ 100nm ナノオーダー
粒子計測
主に湿式
 イオントラップ法 20nm ~ 数μm ナノオーダー
粒子計測
サンプリング
レーザー回折法
フラウンホーファー
0.1μm ~ 数cm 非球体計測 高濃度に弱い
分布関数使用
位相ドップラー粒子分析計(PDI)
0.5μm ~ 数cm(球体) 速度同時計測、
高濃度計測可能
球形粒子のみ
画像粒子計測法(シャドウグラフ)
1μm ~
(精度は10μm ~ )
形状計測可能、
可視化
高濃度に弱い
レーザー誘起加熱法 (LII)
数nm ~ ナノオーダー
すす計測
カーボン系のみ
Time of flight法 10μm ~ 簡易計測 移動方向が一定

レーザー回折式粒度分布計(FLD)の特徴

 ここでは、0.1μm〜数cmまでのレンジでの粒径計測が可能なレーザー回折式粒度分布計(Fraunhofer Laser Diffraction) : FLDシリーズの特徴についてご紹介します。

FLDの特徴
  • レーザー計測機器のノウハウを活かし徹底的なコストカットにより、これまでにない低価格を実現
  • 体積粒子径(V10、V50、V90)、数粒子径(N10、N50、N90)、ザウター粒子径(SMD)、体積分布表示、ロージンラムラー分布、Logスケール分布等多彩な表示に対応
  • 平行光光学系によりレーザー発光部と受光部が分離、計測エリアが10cm〜最大10Mまで可変(FLD-319)
  • 受光部を動かした際の再アライメント不要(FLD-319)
  • 操作が容易なソフトウエア
  • 導入コストのみならず、計測時間の短縮で運用を含めたトータルコストを大幅に削減

システム一覧

0.1~100μmの粒子径に対応。デスクトップ型のコンパクトモデル。

FLD-311

1-500umの粒径に対応、計測エリアの変更可能な噴霧粒度分布計

FLD-319A

湿式と乾式の切り替えを容易に行えるレーザー回折式粒度分布計

FLD-2308シリーズ

マニュアルと全自動オペレーションモードを備えた乾式粒度分布計

FLD-3008シリーズ

動的光散乱原理(光子相関法)に基づくナノ粒度分布計

FLD-802

主な仕様

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  FLD-319A   FLD-311 FLD-2308A FLD-3008A FLD-802
方式  フラウンホーファー式レーザー回折法  光子相関法
粒子  1μm ~ 500μm  0.1μm ~ 100μm 湿式:0.01μm ~ 2000 μm
乾式:0.1μm ~ 2000 μm
 0.1μm ~ 2000μm 1-10000nm
計測精度  < 1%(CRM D50) 
再現精度  < 1%(CRM D50) 
使用レーザー  LDポンプレーザー 
532nm p>40mW
 ダイオードレーザー 
650nm p>1mW
 ヘリウムーネオンレーザー λ= 632.8nm, P=2.0 mW
補助半導体レーザー λ= 405 nm, P=2.0 mW 
ヘリウムネオンレーザー 632.8nm p>2.0mW  半導体レーザー
532nm P=30mW 
寸法 発光部:L369×W295×H360mm
受光部:L858×W295×H360mm
L720×W620×H370mm L920×W440×H500mm    L1040 × W440 × H540mm L480 × W270 × H170mm 
重量 発光部:23kg
受光部:45kg
30kg  58kg 58kg   12kg

動作原理

FLDの動作原理

レーザー光が粒子に当たった場合に、光は散乱したり回折を起こしたりします。このとき、小さい粒子では散乱角が拡がり、大きい粒子では散乱角が狭くなります(ミー散乱)。 この散乱光を独立したチャネルディテクターで受光し、粒度分布を形成します。FLD-319シリーズではスリット構造になっており、レーザー発振部、受光部を0.1m~10mの範囲でセパレートし、広範囲のスプレー計測まで対応できます。

計測事例

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