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レーザードップラー流速計:LDV
レーザードップラー流速計(LDV)とは
レーザードップラー流速計(LDV)とは、2本のレーザーの交点に生じる干渉縞を、測定対象となる液体や気体が通過する際の周波数特性を元に流れ場の各ポイント毎の速度を非接触、高時間分解能計測が可能なシステムです。MSE社のLDVシステムは、レーザーを発光系側に内蔵しており、光軸調整不要で、速度キャリブレーションも不要なフルターンキー方式です。風洞試験、水槽試験、回転体周辺気流解析等に最適です。船舶の抵抗低減、海面境界層の流速計測等に対応した水中LDVの新モデルもございます。
特徴
- 流れ場の非接触計測
- ポイント計測
- 光軸調整不要(DPSSレーザー内蔵型)
- 高速時系列データ取り込み・解析
- 1プローブの後方散乱システム、発光系+受光系システム、小型プローブシステム等の豊富なラインナップ
測定原理
2本のレーザー光を絞り、交差させるとそのポイントには規則正しい明・暗のコントラストの縞模様が生じます。
これを干渉縞(Fringe)と呼び、この一定のFringe間隔は次式で求められます。
σ=λ/2sinθ
σ:干渉縞
λ:波長
θ:レーザ入射角
この2本のレーザ光の交差したポイントに、流体中に混入された固体粒子または気体中の液滴が通過すると、干渉縞はコントラストを描きます。このコントラストを受光部で検知し、電圧に変換すると、元々レーザ光のもつGaussian特性(中心部強度が大)から山なりになり、ドップラーバースト信号といわれるものが形成されます。
速度算出はこのドップラーバースト信号の山の部分をカウントすることによって得られます。速度が遅い場合には広い幅の山なりの間隔になり(低周波数)、逆に速い場合には狭い幅の山なりの間隔になります(高周波数)。干渉縞の間隔は一定なので、微粒子が通過すると、周波数特性をもった規則正しい信号が発生し、この周波数から速度を
V=σ*f
V:粒子(流体)速度 (m/sec)
σ:干渉縞間隔 (μm)
f:ドップラー信号周波数 (MHz)
の式より求めるのです。
アプリケーション
- 風洞空力実験の車両・航空機周りの流れ
- 装置内の流れ(冷却効果)
- 回流水槽、造波装置の水の流れ
- 可視化エンジン内の流れ