多孔質セラミック膜の特性評価_ポロメーター

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【計測事例】多孔質セラミック膜の細孔径分布を測定しました



多くのセラミック材料は脆く、サンプル準備中または高圧計測により破損する傾向があります。
この機械的強度の限界は、細孔径測定における課題となっています。
よって、亀裂や欠陥の発生を最小限に抑えるため、慎重に取り扱う必要があります。
また、セラミック膜は多様な多孔質構造を持っており、このような材料の細孔サイズ (分布)を決定することは 困難な場合があり、膜の種類に応じて調整された方法が必要になる場合があります。

本計測事例に使用した装置は、このような課題を克服し、セラミック材料の信頼性と再現性のある細孔サイズ測定を提供し、正確で再現性のある結果を確保します。



【使用機材】

POROLUX Cito
POROLUX Revo

【測定結果 (Sample A、Sample B)】 (POROLUX Citoによる測定)

サンプルA・B
・Sample A:アルミナ製の平坦シート膜
・Sample B:炭化ケイ素製のマルチチャンネル管状膜

 

両方のサンプルの結果は、測定中の高い流量によって示されるように、 高いガス透過性を示しています。 (図1)


【Sample Aについての測定結果】
アルミナ膜からなるSample Aは、非常に低い圧力で細孔の開口を示し、 大きな細孔の存在を示唆しています。このサンプルの細孔径分布は 5 ~ 50μmと非常に広範囲です。(図2)
細孔が非常い大きいサンプルの場合は、湿潤液が細孔から落ちるのを防ぐために、 測定時間を短くすることをお勧めします。Sample Aの合計測定時間は6分を超えません。


【Sample Bについての測定結果】
Sample Bは炭化ケイ素製のマルチチャンネル管状膜であり、孔径の範囲は 0.3 ~ 6μmと非常に狭く、平均流量孔径 (MFP)は約0.5μmです。
これにより、Sample Aと比較して高い選択性が得られます。より小さな細孔が存在し、 壁圧がかたり厚いため、Sample Bの湿潤は真空引きを実行し、測定時間を長くしました。 Sample Bの合計測定時間は30分でした。

【測定結果 (Sample C、Sample D、Sample E)】 (POROLUX Revoによる測定)

・Sample C:アルミナ製のマルチチャンネル管状膜
・Sample D:アルミナ製のマルチチャンネル管状膜
・Sample E:アルミナ製の平坦シート膜

3つのSampleは、0.1 ~ 2μmの範囲の細孔があります。これら3つのSampleの、 Wet CurveとDry Curveは大きく異なります。 (図3)



図4は、ガウス関数に当てはめた3つのSampleの細孔径分布を示しています。
POROLUXのポロメーターに実装されている【PoreSmartソフトウェア】を使用すると、ユーザーは2段階のカーブフィッティングを適用して、測定曲線から意味のあるデータを抽出し、平滑化された細孔径分布を取得できます。これにより、ユーザーは結果をより適切に解釈できるようになります。これは、細孔が広範囲に分布している緻密なセラミック膜 (Sample E)にとって特に重要です。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加