マイクロイメージングではなぜ共焦点イメージングが効果を発揮するのでしょうか?
マイクロPIVではZ方向分解能を定義するとき、焦点深度(Depth of Field、DOF)ではなく、測定深度( Measurement Depth 、MD)という概念を用います。 これはUCサンタバーバラのマインハート等により提唱された概念で、粒子像の光強度が速度測定に影響を与える程度に強く見える範囲のことで、一般的にDOFよりかなり厚くなります。通常のマイクロPIVではMDは対物レンズの設計上の焦点深度よりかなり厚くなっており、MDの厚さ内には異なる速度成分が混在するため、測定誤差になります。(図参照)、一方共焦点スキャニングマイクロPIVでは、MDを薄くすることが可能なためMDエリア内に単一の速度成分しか含まないため、マイクロフルイディクスにおいて高精度の計測分布が可能になりました。
マイクロLIFでは通常蛍光粒子は使わず、蛍光剤を液体に溶かして使用することが多く、液体自体が発光します。そのため通常の顕微鏡観察ではたとえ高NAの対物レンズを使用しても焦点面前後の蛍光発光が迷光として入射し、光軸方向(Z方向)の空間分解能を下げてしまいます。(XY方向の空間分解能に対して、Z方向の分解能が著しく低くなってしまいます。)共焦点イメージングでは焦点面前後の蛍光発光をほぼ完全にカットできるのでXY方向分解能に見合った高いZ方向分解能が得られます。
明視野画像 |
共焦点画像 |
共焦点スキャナーの原理 |
共焦点スキャナー |