【海外でのPIV計測の取り組み】広州大学工学構造災害制御研究センター

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【海外でのPIV計測の取り組み】
~広州大学工学構造災害制御研究センター 風洞研究室~

弊社は長年の流体の数値解析への取り組みを行い、流体計測に関して長年取り組んでいます。
PIVシステムは中国や台湾などアジアを中心に納入実績がございます。

今回は、中国の広州にある、広州大学-淡江大学 工学構造災害制御研究センターの風洞研究室に於いて、PIVを用いた計測を実施しましたのでご紹介します。



広州大学-淡江大学 工学構造災害制御研究センター

当共同研究センターは、2008年8月に設立された中国の広州大学と、台湾の淡江大学による共同研究施設です。
土木工学の防災と災害発生時の被害軽減を目的として、台風や震災時、風雪被害などの影響下での特性と結果を研究しています。
今回は、本研究センターが有する風洞研究室の何运成先生のもとでPIV計測を行いました。

PIVとは


PIVとは、粒子画像流速計(Particle Image Velocimetry)の略で、連続する2枚の画像を基にして、光学的に流れを可視化する手法で、流体の速度や方向、流速の分布などの特性の取得が可能です。
流れの中に微粒子を送り瞬間的に粒子に光を当て、そのタイミングで画像を取得して、得られた複数の画像の相関を演算することで流速や方向を算出します。
空気中の流れのほかに、水中や管内、エンジンの筒内など様々な条件下での計測も可能です。

PIV計測の原理について、詳しくはこちら
https://www.seika-di.com/measurement/combustion/piv/algorithm.html


工学構造災害制御研究センター 風洞研究室

同研究センターにある風洞研究室では以下のような研究テーマを有しています。

  • ・確率分布と動的信頼性を組み合わせた風速と風向に基づく高層ビルの耐風最適設計手法
  • ・大変位と安定性に基づく耐風構造の最適設計法に関する研究
  • ・強風・台風下の超高層ビルの風環境と風の影響を同時に監視するための新技術の適用に関する研究
  • ・プロトタイプ測定に基づく超高層建物の風誘起振動の減衰比特性と数学モデルに関する研究
  • ・確率モデルに基づく雪で覆われた屋根の風誘導動的不安定メカニズムに関する研究
  • ・風洞試験データベースに基づく長スパン屋根構造の風抵抗最適化設計手法
  • ・風洞実験と現場測定に基づいた高層ビルの風による振動と耐風性のための最適化された設計方法
  • ・強風/台風の影響下での長スパン屋根構造の風による振動のプロトタイプ測定と風洞試験


中国は、近年では特に高層建築物が多く建てられているため都市設計にかかわる研究や、シミュレーション結果と実験結果の差異、災害などを強く意識していることが伺えます。

何运成 副教授のもとで、実験室内に2018年に新たに設置された小型風洞を用いて数値解析を行いました。


使用した風洞は流速最大で22m/sまで対応しており、エリアは0.5m×0.5m×1.5mとなっております。

カメラは 1K×1K解像度 12bit , Nd:YLFレーザーで527nm 30mJ , ライトアーム使用 , 解析にはKoncertoを用いました。

各機材のセットアップに始まり、レーザーの取り扱いやPIV計測時の注意点などを情報共有しました。
その後に角柱を計測、後方に発生するカルマン渦の発生と、解析時のFD4コリレーションの効果などを確認いただけ、有意なデータが取得でることを確認しました。

今回は小型の風洞を用いたスケールモデルを使用した実験でしたが、より大型の境界層風洞の実績なども多数ございます。

境界層風洞での実例はこちら
https://www.seika-di.com/media/measurement/combustion/2dpiv_stereopiv

台風の大型化や想定を超えた豪雨など、自然災害による被害が大きくなっています。それらを予防するためにも、流れの可視化は大きな役割を果たしています。私たちは技術を通し、国の枠を超えた減災に貢献したいと考えております。

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