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【計測事例】インデューサ 非定常流れ場検証のための時系列 2D-PIV測定
ロケットエンジンの燃料となる液体水素や液体酸素を送液するターボポンプの流入部であるインデューサ(Inducer)の上流では、流量や圧力の変動などにより流入バランスが乱れることによりキャビテーションが発生し、送液効率が下がるとともに衝撃により流路にダメージを与え、最悪の場合には破損に至ります。
このキャビテーション発生過程を検証するためにCFDによる解析が行われていますが実際の確からしさの検証はこれまで行われてきていませんでした。
そこで今回、時系列2D-PIVを実施することでCFDの基礎データを取得すると共に、時系列的な変動の把握をすることができました。
今回の計測では流路の断面的な流れ(流れと垂直方向、輪切り)と横方向(流れと水平)の2条件での撮影を実施し、それぞれの時系列的な流れの変動把握に成功しています。
本計測のポイントとして、輪切りの断面ではボアスコープを使用して撮影しています。 ボアスコープの特性により通常は非常に暗い画像取得なるため、PIVの粒子画像としては不利となりますが、パルスレーザーを使用することによりこの悪条件を補っており、断面全体でのPIV解析に成功しました。
この実験データは宇宙航空研究開発機構(JAXA) 第3研究ユニット 山本啓太様より ご提供頂きました。
【取得データ】
【使用機材】
● 高解像度高速度カメラ
● ボアスコープ(垂直断面)、microNikkor105mmF2.8(水平断面)
● 高繰返しダブルパルスYLFレーザー(30W)
● レーザーシート光学系
● タイミングコントローラ
● PIV制御解析ソフトウエア KoncertoⅡ-Online
【実験条件】
● 視野:約120mm角
● カメラ―光源間:約1m
● 計測周波数:約30Hz