【測定事例紹介】
~~リチウムイオン電池用セパレーターの孔構造評価~~
平素はご愛顧いただき誠に有難うございます。
西華デジタルイメージの計測システムGの営業 西です。
本日は、リチウムイオン電池を代表とする二次電池に使用される部材、電池セパレーターの孔構造評価について、2つの装置を用いた測定事例をご紹介します。
電池セパレーターは、スマホなどの電子デバイスにも必ず使用されており、また昨今の世界的な電気自動車(EV)シフトで市場が巨大化しつつある注目素材です。
○評価に使用する評価装置
・貫通細孔径分布測定装置「パームポロメーター」
・純水圧入ポロシメーター「Aquapore」(アクアポア)
いずれの装置も非水銀にて細孔径分布を測定可能というメリットがあります。
まずは簡単に、それぞれの装置の特長、及び期待できるデータの特性をまとめます。
パームポロメーター
・それぞれの細孔のネック部(最も細い部分)を選択的に測定する
・サンプルの通気度、通液性能に関わるデータが得られる
・非貫通孔はデータに含まれない
純水圧入ポロシメーター
・細孔を容積的に測定する
・貫通孔、非貫通孔ともに測定データに含まれる
・サンプルの空隙率、比表面積、屈曲度を計算できる
図1 ポロメーター、ポロシメーターの測定イメージ図
パームポロメーターについての詳細はこちらをご覧ください。
ポロシメーターについての詳細はこちらをご覧ください。
○サンプル
ポリプロピレン製乾式延伸製造 セパレーター
○測定結果
表1 測定結果まとめ
図2 細孔径分布 比較
○測定結果まとめ
・両装置ともの細孔径分布データが得られた。特に、純水圧入ポロシメーターでは、従来は水銀を使用する測定を非水銀で実施することができた。
・純水圧入ポロシメーター:パームポロメーターでは得られない細孔容積、空隙率、屈曲度、比表面積のデータが得られた。また、パームポロメーターよりも大孔径かつブロードな分布になっており、理屈状もリーズナブルな結果となった。
・パームポロメーター:純水圧入ポロシメーターでは判別がつかない、サンプルの最細部の孔径分布が得られた。最細部の孔径分布は、サンプルの通気/通液性能、フィルタリング/セパレーティング性能、イオン伝導度などの重要な物性と相関が取れると言われている。
このように、原理が異なる2つの装置を用いてサンプルを評価することにより、サンプルの孔構造をより多角的に解析することが可能となります。
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西華デジタルイメージ株式会社 計測システムG 西