【測定事例紹介】
~~純水圧入ポロシメーターAquaporeによる自動車ブレーキパッド空隙評価~~
平素はご愛顧いただき誠に有難うございます。
西華デジタルイメージの計測システムGの営業 西です。
本日は最近お問い合わせが多く、デモ稼働率も高い純水圧入ポロシメーター「Aquapore」について、
最新の測定事例をご紹介します。
ポロシメーターについての詳細はこちらをご覧ください。
○サンプル
市販自動車用ブレーキパッド A社製、B社製
自動車用ブレーキパッドでは、製品の耐摩耗性、振動特性、ノイズ発生特性等を評価するために、
細孔構造の把握することが重要になります。
○純水圧入ポロシメーターによる細孔径分布測定
ブレーキパッドを適当な大きさに破砕し、サンプルセル内にセット。
100μm~0.001μmの範囲で測定を行いました。
A社ブレーキパッドについては繰り返し精度確認のため、同一サンプルを3回測定実施しました。
図1 サンプルセル
図2 ブレーキパッドサンプルを投入
図3 純水の中のサンプル
図4 セルの蓋をしめて測定準備完了!
○測定結果
表1 測定出力結果まとめ
図5 細孔径分布比較 :A社サンプルの繰り返し再現性と、A社、B社の細孔径分布の傾向違いが確認できます
図6 累積空隙率グラフ:細孔径分布ではB社のほうがより小孔径に分布しているものの、空隙率はB社のほうが有意に大きいことが確認できます。
○まとめ
・本検証では、従来は水銀を用いた水銀ポロシメーターで行われる同評価を、純水圧入法を用いたAquapore装置で測定結果が得られることが確認できました。
・純水と水銀の表面張力の差、接触角の違いにより計算上、純水圧入ポロシメーターでは水銀ポロメーターの1/10程度の圧力で同等の細孔を検出できます。それにより、純水圧入ポロシメーターではサンプルの圧縮や変形といったダメージが少ない結果取得が得られます。
・同一サンプルの評価にて、比較的良好な繰り返し再現性を得ることができました。
また、異なるメーカーのサンプル間にて有意な結果の差が出ることが確認できました。
・結果において、平均細孔がA社>B社となっているにも関わらず、空隙率はB社>A社となりました。
空隙率は細孔分布と細孔の数の積になるので、この結果からB社サンプルについては細孔径分布はA社サンプルより小孔径にシフトしているものの、細孔の数はA社より多いサンプルであることが推測できます。
このように、純水圧入ポロシメーターを用いると細孔構造を把握するのに有益な結果が得られます。
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西華デジタルイメージ株式会社 計測システムG 西