マイクロPIV・LIFに最適化した解析アルゴリズム
マイクロPIV・LIFシステムは、微小流動(マイクロフルイディクス)の流速分布や混合、拡散等を解析するためのシステムです。SAT-PTVアルゴリズム(※1)はブラウン運動の影響を大幅に軽減することが可能な速度解析アルゴリズムです。ブラウン運動はマイクロPIVにおいて最も重要なエラー要因です。 西華デジタルイメージのPIV解析ソフトウエアKoncertoⅡではマイクロPIVに特化した解析アルゴリズムを組み込むことで、精度の高い解析を実現しています。
ブラウン運動によるノイズを低減/ブラウン運動量の測定
マイクロ流体デバイスのスケールダウンが進むにつれてトレーサー粒子もサブミクロンの小さい粒径のものが必要になっています。サブミクロントレーサー粒子で高精度計測を行うためにはブラウン運動の影響を減少させることが重要です。
ブラウン運動によるノイズの軽減
ブラウン運動はマイクロPIVにおいて最も重要なエラー要因です。 SAT-PTVアルゴリズム(※1)はブラウン運動の影響を大幅に軽減することが可能な速度解析アルゴリズムです。
通常マイクロPIVでは相関値の改善、ブラウン運動によるノイズの軽減を目的として時間平均相関法を利用していますが、時系列マイクロPIVなどのように瞬時速度情報が必要な場合には時間平均相関法は利用できません。 SAT-PTVアルゴリズムは空間平均法によりブラウン運動による個々の粒子のランダムな変位を平均化し、マイクロPIVにおける瞬時速度の高精度解析が可能です。
インターロゲーションウィンドウ)における変位のおおまかな代表値を得ます。この代表値はブラウン運動による個々のトレーサー粒子のランダムな変位の影響を受け、誤差を含んでいることが多いのでガイドとしてのみ利用します。ガイドベクトルをもとに、ウィンドウ内の2画像間の個々の粒子を対応付けして、トラッキングにより個々の粒子の移動量を得ます。次に個々の粒子の移動量の平均を求めてウィンドウ内の代表値とします。ここで得られた代表値はブラウン運動の影響が軽減された精度の高い代表速度となります。
ブラウン量の測定
SAT-PTVアルゴリズムを応用してブラウン運動量の測定が可能です。グリッド(インターロゲーションウィンドウ)内の個々の粒子の移動量のばらつきの平均値がグリッド内の粒子のブラウン運動量と相関があるということを前提として、各ウィンドウ内のブラウン運動量を算出し、コンターで表示することが可能です。ブラウン運動は粒子サイズ、流体の粘性、温度などと関係があるため、ブラウン運動量からさまざまな流体のパラメータの解析が可能になります。
※1 マイクロPIV用SAT-PTVアルゴリズムは、慶應義塾大学 菱田・佐藤研究室にて開発されたアルゴリズムで、特許技術となっております。
マイクロPIVの紹介ページはこちらをご覧ください。
https://www.seika-di.com/measurement/piv/micro_piv_lif.html