バリア性フィルム 高速ガス透過率評価

バリア性フィルム 高速ガス透過率評価

バリア性フィルム 高速ガス透過率評価

水蒸気、酸素バリア性フィルムは古くから食品包装用などで使用され、昨今は最先端の電子デバイスでの活用が試みられております。ただ、これらの材料のガス透過率の評価には従来方法では数時間~数日と非常に長い測定時間を要するため、製品開発や品質管理の妨げとなっております。Vinci社バリア性フィルムガス透過率測定装置QHV-4は、ヘリウムガスを利用しバリア性の高いフィルムにおいても数分-数十分/1測定を実現する画期的な評価装置となっております。

システム一覧

測定原理

バリア性フィルム 高速ガス透過率評価 測定原理
  • サンプル上流側: 一定濃度のヘリウムガスを充填
  • サンプル下流側: 真空状態により、擬似的にガス濃度を0に
  • 測定チャンバー:サンプルの着脱は容易なものの 高いシール性を誇る。測定するフィルムは多孔質焼結金属でサポートされており、真空による圧力差のストレスを極小化する。

<原理>
フィルム上下のガス濃度差により、下流側へ ヘリウムガスが拡散、透過する。 下流側では、四重極質量分析計にて 拡散してきたヘリウム分子の分圧を計測

下流側のヘリウム分圧、温度、測定面積などからヘリウムガス透過率(HeTR)を計算

特徴(活用例)

バリア性フィルム 高速ガス透過率評価 特徴(活用例)

革命的な測定スピード

QHV-4で取得された代表的な測定データを紹介します

  • サンプル:PET基材無機バリア層蒸着フィルム
  • 水蒸気透過率:WVTR 5×10-2g/m2/day (等圧法)
  • 測定温度:38℃
  • ヘリウム透過率測定所要時間:約180秒
  • 測定時間合計:約10分 (サンプル取付け、真空引き、測定後ガスパージ)

これは、QHV-4で取得されるごく一般的なバリアフィルムの測定結果です。バリアフィルム評価の概念を覆す測定スピードを是非一度ご体験ください。

優れたコストパフォーマンス

QHV-4はその測定スピードを活かし、サンプルによっては一日で10-20検体の測定を実施可能です。
品質管理、製品開発において水蒸気、酸素透過率を測定する場合、測定時間を要する標準的な水蒸気、酸素透過率測定手法では多数台の装置を所有する必要性に迫られ、必要な費用(装置代、運用人件費、メンテナンス費)は莫大になります。
QHV-4で部分的にでもバリアフィルム透過率評価を代替することで、標準的な水蒸気、酸素透過率測定に要する費用を大幅にカットすることも可能となります。

水蒸気透過率、酸素透過率との相関

ヘリウム透過率で水蒸気透過率、酸素透過率を代替するのは一見乱暴な手法に思えます。
実際に、全てのサンプルに対して成立するヘリウムー水蒸気/酸素の相関係数はありません。
ただ、サンプルの諸物性(基材、成膜方法、バリア層)を揃えた系においては理論的にも実験的にも良好な相関が得られるケースが多くあります。
特に、ヘリウム-酸素透過率については良好な相関性があることは、信頼性が高い海外研究機関でも論文で紹介されています。

水蒸気、ヘリウム透過率比較データ

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